すずかんの医療改革の「今」を知る(2006年6月号)
第8回「-公共事業から医療へ-“医療国会”が本格始動!」
4月6日の衆議院本会議を皮切りに、厚生労働委員会、そして参議院へと活発な議論が続く医療改革法案。政府・与党から「医療法改正案」「健保法改正案」、野党・民主党からは「がん対策基本法案」「小児医療緊急推進法案」「医療の安心・納得・安全法案」の計5案が提出されました(4月末日現在)。
与野党とも、良質な医療の確保を前面に打ち出しています。
政府・与党の「医療法改正案」には、情報公表制度導入による患者側の選択のサポートや、医師の再教育制度などが盛り込まれています。
野党側の「医療の安心・納得・安全法案」も、「患者の知る権利」「自己決定権」の確立や、専門家による医療事故の原因調査・再発防止制度の立ち上げなど、医療の質向上にむけた施策を幅広くカバーしています。
ただし、医療費増大への対応については違いがくっきり。
政府案は、診療報酬を抑え、高齢者の負担引き上げも含めて財政との均衡を重視します。
対して野党案は、むしろ臨床現場に財源および人材を集中投入。医療の質と効率の向上を促進し、加えて、予防医療や週末医療を改善することで、将来的には医療費は適正化できるとの判断からです。
特に、説明不足からくる医療への不満や医療事故の解消には、人材の適正配置と育成、医療現場の労働条件改善が不可欠。それこそが患者側の安心・納得・安全に直結する、との考えです。
財源は、例えば公共事業からGDPの1〜2%を、医療に振り向けてはどうでしょう?日本はドイツに比べ医療費がGDP比で3%低いのに対し、公共事業費は3%高いのが現状なのです。
皆様も日本の医療改革について、考えてみて下さい。