NO.42 第164通常国会の開催にあたって | |
2006.1.25
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第164通常国会の開催にあたって 国会が始まりました。参議院議員の鈴木寛でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 昨年は、7月東京都議会選挙、9月の衆議院総選挙、それに引き続く民主党代表選挙と選挙に明け暮れた年でした。 また、12月には、民主党系シンクタンク「公共政策プラットフォーム(通称プラトン)」の立ち上げに際しましては、多くの方々に創立イベントにご参加いただき誠にありがとうございました。 さて、今年は、民主党では9月に代表選挙がありますし、自民党でも9月に小泉総裁の後継を選ぶ総裁選挙が予定されています。2001年から5年間続いた小泉純一郎政権がいよいよ終わりを迎えます。この5年間に、小泉政権によって、その直前の5年間とは、異なったスタイルの政治が行われたことは事実です。 そして、今年前半は、まさに、今年から2010年に向けた、きたるべき5年間に、どのような社会づくりを行っていくのか? そのビジョン・コンセプトと具体的なアクションプランについて、それぞれの総裁・代表候補が、大いに論ずることを期待していますし、私自身も、どんどん、そうした問題設定を仕掛けていきたいと思っています。 私個人としては、「Community Solution(コミュニティによる問題解決)」という社会統治のためのコンセプトを、そして、それを実現するため「Public People Partnership(公と人々との連携・協働)」「Capability(幸福実現能力)向上」といった方法論をどんどん提起していきたいと思っています。 それに代わって、小泉政権のもとで、「マーケット・ソリューション(市場による問題解決)」が、声高に唱えられ、その方向への改革が強引に推進されています。しかし、JR西日本の悲惨な鉄道脱線事故、耐震構造偽装、子どもの安全、ライブドア堀江社長逮捕、米国産牛肉輸入停止事件などが、立て続けに発生し、昨年からは、市場至上主義の限界も、一挙に露呈しつつあります。 私は、1997年に「ボランタリー経済の誕生」、2000年に「コミュニティ・スクール構想」、2002年「中学改造」などを出版しましたが、一貫して、「政府の失敗」と「市場の限界」の二つの課題について指摘しつづけ、その双方を解決する思想として「コミュニティ・ソリューション(コミュニティによる社会問題解決)」を提案し続けてきました。 特に、コミュニティ・ソリューションの先行事例である「コミュニティ・スクール」については、2004年に法案が通り、昨年2005年に約40校が発足、本年には、約150校のコミュニティ・スクールが誕生する予定です。すでに、教育に関しては、コミュニティ・ソリューションの考えが、構想段階を超えて始動段階に入っていますが、コミュニティ・スクールを全国に広げていきます。 コミュニティ・ソリューションとは、問題に関わる様々な関係者が連携し、当事者コミュニティを形成し、直面する課題について、学習し、解決方法をめぐって当事者が主体的に参画して、議論を深め、役割を分担しながら、それぞれの自発的貢献を最大限に発揮・活用しながら、知恵に充ちた策に基づき、満足度・納得度高く、問題を解決していく、結果として、コストも適正化されるという方法論ですが、この考え方を、医療・保育などの分野へも適用できないか、さまざまな政策提言や具体的な実践活動のお手伝いをしていくつもりです。 私が、力を入れております教育・医療・アジアに関する各論ですが、 教育については、民主党次の内閣での文部科学大臣、参議院文教科学委員会理事として、今年の前半は、義務教育財源の確保・拡充、教育行政権限の学校現場への移譲、学校安全対策の抜本充実、教育基本法改正、教育の階層化に対する歯止め対策、その鍵となる高等教育無償化に向けた国際人権規約批准及び奨学金制度の充実、コミュニティ・スクールの普及、教育のベストプラクティスの発掘・支援・普及のための全国ネットワーク型のNPOづくりなどに取り組んで参ります。また、オリンピック誘致、ドイツ・ワールドカップ・サッカーの成功開催などについても、取り組みます。 医療については、民主党医療改革プロジェクトチーム副座長として、医療制度改革問題、統合医療普及、小児救急医療、急性期高度病院における医療人材の不足解消、専門臨床医の育成体制整備などに取り組みます。 アジアについては、中国清華大学と行っているデジタル・コンテンツ人材育成プロジェクトの推進、中国ボアオ・フォーラムとの協働、言論NPOとチャイナディリー・北京大学が開催する北京・東京フォーラム(8月に東京で第二回開催)の成功などの課題に取りくんでいく予定です。 本年も、数多くの課題がありますが、どうぞ、ご支援・ご指導のほどお願い申しあげます。 追伸:1月31日火曜日に参議院予算委員会において補正予算案に関する質疑に立ちます。小泉総理相手に昨年3月以来久しぶりに論戦を挑みます。当日は、NHKでの放映も予定されておりますので、是非、ご覧ください。(詳しくは当日朝の新聞番組表をご覧ください) |
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