すずかんMAGAZINE NO.18 「臨時国会終了・民主党新体制スタート」
2002.12.15 


12月13日をもって、臨時国会が修了しました。

議員としては、充実していました。参議院本会議質問に初登壇したほか、法務委員
会(一般質疑、会社更正法全面改正)、内閣委員会(構造改革特区法案)、文教科
学委員会(学校教育法改正)、法務・文教合同審査会(司法試験制度改革+ロース
クール制度発足)、行政社会調査会(公務員制度改革)、共生社会調査会(障害者
の自立と社会参加)にのべ8回、質疑・発言を行ないました。議員の本来業務は、
立法ですから、今国会、衆参両院のなかで、おそらく本来の仕事を一番した議員の
一人だとの自負はあります。

同時に、私は、公党民主党のメンバーでもあります。党副幹事長・役員室次長の私
としても、激動の57日間でした。9月23日の鳩山代表再選以後の党内混乱が続く中、
国会がスタートしました。我々は本国会を経済有事国会と位置づけ、まず、国会冒
頭で鳩山代表から、代表指示という形で、経済対策についての政調会長はじめ各関
係者へのトップダウンでの指示を出しました。鳩山代表による衆議院本会議の代表
質問、2週続けてのクエスチョンタイムの準備に追われました。毎週水曜日の定例
会見を含む、代表記者会見の立会いなどに奔走しました。特に、代表とメディアの
関係が多い国会でもありましたから、大忙しでした。

今国会冒頭で、補正予算の組替えを要求し、民需主導型の景気浮揚策を打ち出しま
した。特に、鳩山経済対策指示や衆議院本会議での代表質問の内容については、今
でも、十分自信をもっております。

自民党は、自分達の利権を守るために、相変わらず官需主導の景気浮揚策に偏って
います。そこで、我々は、GDPの7割を占める民需刺激、具体的にいえば、中小企業
の投資増と勤労世帯家計の支出増を中心とする経済政策を志向しています。小泉政
権が、非上場企業の企業行動について全く無理解なことから、今の金融政策混乱が
起こっていますので、まず、中小企業に対して事業金融ではなく形式的担保金融に
陥っていることが問題の一つですから、有形資産は少ないが無形・動的資産などを
十分擁している潜在力ある中小企業について、その実力を実質的に評価し、きちん
とお金が回るようにすること。個人保証制度が制度化・慣行化していることが、追
加的資金調達を阻害していることから、まずこれを見直すこと。さらに、家計消費
増を図るため、家計の可処分所得と可処分時間を増やすためのあらゆる措置をとる
こと。などを柱に、まず民間需要を増やし、そして同時に、不良債権処理の徹底を
図るという経済政策を提起しています。

2回目のクエスチョンタイムでも、いくつもある具体策のなかから、中小企業がお
金をかりるときの個人保証制度を見直すこと、家計の購買力を増強する住宅ローン
・教育ローン・耐久消費財購入ローンの利子の税額控除、キャピタルゲイン課税の
暫定ゼロ税率などのメニューを提案しました。
このように、中味については、最も正しい処方箋を作っているのに、民主党の政策
については全くとりあげられず、民主党のごたごただけが報道されていくことを大
変に無念に感じながらの臨時国会でした。いい弾込めだけではダメで、命中精度が
高く、射程距離の長い大砲を、しかも、しっかりした地盤・土台の上に据え付ける
ことがいかに大事かを痛感させられた毎日でした。特に、泥沼の土台・地盤には、
本当に悩まされました。弾を撃てば撃つほど、深みにはまっていったというのが正
直な感想です。

今回、痛感したことをいくつか吐露させていただきます。公党というものについて
の理解の違いです。私は、今まで何らかの組織の一員として、いろんな社会的なプ
ロジェクトを成功させてきました。それは、大学、スポーツチーム、音楽バンド、
劇団、合唱団、財団、NPO、県庁、通産省などいろいろですが、どんな組織でも、必
ず、ルールと役割というものがあります。組織に入る以上、そして、その一員であ
りつづける以上、そのルールを遵守し、役割をまっとうするということが当然だと
思っています。当然、民主党での私の行動もそうしています。

しかし、世の中には、党内にも、また、マスコミにも、私の常識と違う人が多いの
だなということを本当に痛感しています。私は、中高とサッカーをやっていまし
た。一応、神戸市一部リーグでも優勝したのですが、サッカーの試合が始まれば、
試合終了まで、どんなことがあっても、与えら得たポジションで全力を尽くしま
す。仮に、センター・バックスを任されたら、敵チームのセンター・フォワードが
私の小学校以来の親友であったとしても思い切って、そのシュートを阻止するため
にタックルをします。また、同じチームの先輩に対してもゲームに勝つために指示
は出します。また、その準備のためのチーム練習で紅白戦をやってもおなじことで
す。いい加減な気持ちでタックルしていたら逆にケガしますから、チームメイトで
も真剣にタックルします。だからこそ、うまくなるし、強くなるのです。そのかわ
り、公式試合になったら、どんなことがあっても協力します。また、ゲームが終了
したら、全員がその健闘を称えあう、そして、次に向かって精進するというのがス
ポーツマン・シップです。それが、パブリック・マインドだと思っています。その
当たり前のことが共有されて始めて未来があると思います。今に、我が党に求めら
れるものは、この精神だと思っています。

この半年間、民主党チームは確かにどんどん点を取られました。劣勢が明らかに
なってくると、自分のポジションをほったらかして、試合中にもかかわらず、カメ
ラの前にいって、今、うちのチームが負けているのは監督がアホだからと言いまく
るひとがでてきたり、試合を投げてしまって、全然ボールを追いかけなかったり、
グラウンドの外に休んでしまったりした人がとても多かったと思います。そうした
人は、ほとんど練習にも出てきません。いいたいことがあったら練習のときにとこ
とんぶつけて欲しいと思いました。ですから、私の疲労感は、ごく数人で、寂しく
練習して、そして、試合になれば、ほかの人の守備範囲まで、広いグラウンド中、
ボールを追って、駆け回らされ、試合に負けると、練習もきてない人から、けちょ
んけちょんに酷評された感じに似ています。

このたび、監督とヘッドコーチが菅さんと岡田さんに交代しました。ジーコ監督
が、はじめて鹿島アントラーズに参加したとき、まさに、プロ選手としての意識革
命から取り組んだといわれています。プロの公人としての意識改革を始めていただ
きたいと思います。

今国会、明るいこともいくつかありました。一つは、今国会から、子供たちの国会
訪問が圧倒的に増えたことです。毎日のように、何百人という国会見学の児童・生
徒たちと出会います。私も、選挙のときの政見放送で、子供たちにどんどん来ても
らいたい、そして、子供たちに見てもらって恥ずかしくない国会にしたいと主張し
ました。議運理事の梁瀬進先生のご尽力で、まず、国会見学年齢が引き下げられま
した。小学校高学年が見学できるようになりました。国会内の見学施設の拡充工事
も行ないました。生徒・児童向けの国会質疑体験コ−ナーや情報提供ブースなども
できました。こうした措置に伴い、毎朝、長蛇の列の子供たちに出会います。ま
だ、子供たちに到底みせられないような醜い部分も残っていますが、毎日、あれだ
けの純粋な子供たちに出会っていると、利権議員たちも少しは良心と良識を取り戻
してくれるのではないかと思っています。まず一歩前進です。これからも頑張りま
す。よろしくご支援ください。