すずかんMAGAZINE NO.10 「学力問題シンポジウム」
2002.08.29

夏休みも終盤に入ってきました。私も、民主党の学力問題ワーキングチームの
事務局長を勤めていますが、今、民主党では、私が所属する文教科学部門会議が
中心となって、夏休み保護者大集合「真の学力向上と生きる力」と題して、仙台、
大阪、多摩、江戸川など全国各地で、民主党「教育再生討論会」全国縦断
キャラバンを開催しています。

学力問題が大きな関心事となり、特に、保護者の間で、大きな困惑と不安が
渦巻いています。民主党の教育政策を深めていくためには、印象論や机上の
空論ではなく、教育現場(特に保護者)からの生の声を十二分に聞いていく必要が
あると考え、『市民参加型の学力・学校問題徹底討論会』を開催したものです。

それぞれの会場には、保護者の皆さんに大集合していただき、パネラーには、
小中学校の教師や校長、地元教育委員会、私立幼稚園の園長、地域教育NPO
などの、それぞれの地域で、実際現場で日々教育に携わっておられる方々に
ご参加をいただき、保護者の方々から、日頃抱いておられる疑問や心配ごとなどを
直接に我々にぶつけていただいています。

私も多摩会場・江戸川会場でのコーディネーターをさせていただきましたが、
保護者の方々からの声を聞いていますと、学力問題もさることながら
「キレル子供」についての関心がとても高いようです。子供たちが実は
発信している信号に、如何に気づくかが大事。反抗期にある中学生の
キレは昔からもあったから、避けるのではなく乗り越えることだ。
ある程度の爆発はやむをえないが、それを如何に大事に至らないように
するかが肝心。といった議論がなされました。

そして、最近の学校改革のキーワードでもある「開かれた学校」についての
議論もさかんに行われましたが、まだまだ、授業の公開が十分ではないとか、
地域・家庭から学校にいくだけではなく、教師のほうがもっと地域に出てきて
欲しいといった声が聞かれました。 
 
シンポジウム終了後も個別のご相談を受けさせていただきましたが、
地域も学校も家庭もお互いにみんながお互いにオープンになって、子供が発する
信号を見落とさず拾ってつないでいくことだ思います。具体例として、保護者の
学習会が自発的に盛んになって、子供が卒業しても一緒に学びの共同体づくりを
してくれている父親たちの私立幼児園の例などはとても印象的でした。

教育問題というのは、一朝一夕に答えが出るような問題ではありませんが、
教育をめぐるすべての関係者が一同に会し、日頃の思いをぶつけるだけで、
いろんな知恵が出るし、相互理解が深まるし、こうした集まりの重要性をつくづく
痛感した次第です。これからも、各地でこうした討論会を広げ、そして、各地で
継続していきたいと考えています。

また、先日は一新塾で、「デリバラティブ・デモクラシー(熟議の民主主義)」と
いうテーマで講演をさせていただきました。また、これについては詳しくお話を
させていただきますが、このテーマは、私の慶応大学助教授時代の研究課題
でもあり、まさに、これを政治の場で実現したいと思って政治家に
なったわけですから、私としても力の入るテーマでした。

これからの政治は、各現場現場で熟議のための公共圏(フォーラムや学習会)を
作り出し、そこで、個別の課題について、現場で結論を出して、市民の自発力を
最大発揮しながら実現していくというものですが、教育問題というのは、まずは、
こうした現場すべての関係者の自発的な協働をいかに起こしていくか、
そのための環境づくり、制度づくりが大事だと思っています。

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