すずかんMAGAZINE NO.5 「人の力を開発する時代づくりへ向けて
2002.06.25

先週も盛りだくさんな一週間でした。当初の予定では国会の会期末となる
はずだった6月19日、鈴木宗男議員の逮捕許諾が国会で可決され、
さらに、42日間会期も延長されました。実は、翌20日、宗男議員とも縁の深い
北海道道東の中標津青年会議所のお招きで講演に行ってまいりましたが、
地元の皆さんの複雑な心境もひしひしと感じてきました。

22日は、多摩地区の若者と共にワールドカップから学ぶ新日本づくりについて
語ってきました。私が、みなさんにお話していることは、「今、歴史が大きく
変わろうとしているんだ」ということです。時代が大転換していく狭間で、
前時代の象徴的な人たちが散っていくのは、歴史の定めです。

戦後、各地方で子供のころから手塩にかけて育て上げた優秀な人材が、
18歳の春になると大量に都会に出て行ってしまうという時代が続きました。
そうした背景のなかで、都会の人たちが納めた税金は、その大半は地方に
配分され、公共事業に使われ、地域の雇用と経済を支えてきました。
都会の納税者たちも、多くは地方出身者でしたから、政府を通じて、
自分たちを育んでくれた地方に自らが納めた税金が投入されることを、
ある種の「ふるさとへの仕送り金」のように感じ、そのことを容認してきました。
そうしたなかで、公共事業をめぐる政官業の癒着構造ができ、このサイクルを
一生懸命回すのが政治の役割となり、都会から地方へせっせとお金を運ぶ
政治屋が永田町を闊歩するようになってしまいました。

しかし、時がたち、地方から都会への人口流入が減り、都会生まれの都会育ちが
増えました。そして、成長も鈍化し、地方へ仕送りをする余裕がなくなりました。
にもかかわらず、自らが納めた税金が、相も変わらず、自らの幸せや次世代への
投資のためにではなく、地方に優先的に配られ続けているだけの政治が続き、
払うばかりで何の恩典もない都会の人は政治への不信を増大させました。
さらに、地方へのパイが減っていくなかで、自分の地元の生き残りを考えれば
分捕り合戦はより熾烈を極めます。その分捕り合戦に勝つために、
多くの無理をした、地元も無理をさせた、ということが毎年起こり、
スキャンダルが激化する背景となっています。

そろそろ、この構造を変えなければなりません。政治は、税金を都会から収奪し、
地方にばら撒くことから脱却しなければなりません。政治に愛想を尽かした都会の
人々は戻ってくれません。また、地方も含めすべての人々の生きる力を
強化しなければなりません。そして、自立した個人、自立した地域が、
仲間と協働(コラボレーション)していくことによって、色々な問題を一緒に
解決していくことが必要です。基本設計はすでにできています。
いま、スズカンは、その詳細設計をやっているところです。

「土地・建物ではなく、人の力を開発する時代づくり」の創建にむけて、
残りの国会でも、いくつかの布石が打てればと思っています。
よろしく、ご協力ください。