すずかんMAGAZINE NO.4 「報道2001に出演〜日本代表から学ぶこと」
2002.06.18

皆さん、こんにちは。

先日、ご案内させていただきましたように、16日の日曜日『報道2001』に
出演してきました。当初、テレビ局から言われていたのは、「ワールドカップ
サッカーに学ぶ日本再生の方法」ということでしたので、いつ話がいくのかな?
と思っておりましたら、議論が煮詰まらないままタイムアップ(時間切れ)に
なってしまったというのが、正直な印象です。

私が、本論に関して、用意していた話はこんなところです。
番組の冒頭、提起しましたように、今回の快挙は「若い力が開花」したことです。
今の日本の問題は、そもそも若い力を育てていないか、実力ある若手の力が
塩漬けになっているところにあります。

サッカーの場合、トルシエ采配で実力ある若手を積極的に登用し、
選手起用で成功していることは皆さんご承知のとおりですが、
見逃してはいけないのは、きちんと10年前から、サッカーの裾野を広げ、
若手の育成を着実に図ってきたことだと思います。

日本の優秀な選手は、静岡が輩出してきました。前回のフランス大会では
11名、今回も6名が静岡県出身です。なぜ、静岡か? それはスポーツ
少年団活動が極めて盛んだからです。学校の施設を利用しながらも、
地域一体となって地元の子供たちの面倒をよく見ています。
このスポーツ少年団活動は、裾野を広げるためにも大いに役立っているのです。

そして、もう一つ人材育成で特筆すべきは、Jリーグ発足当初から
立ち上げてきたクラブ・ユース活動です。今回大活躍の稲本選手も宮本選手も
市川選手も、クラブ・ユースの出身者です。93年のJリーグ発足当時から
Jリーグの各クラブの傘下にジュニアを育成するクラブをつくりました。
今までの学校体育・部活に依存しない、子供から若手までの一貫した
育成システムをつくりました。これが10年たって功を奏しているのです。

さらに、今の日本がサッカーから学ぶべきは、一大国民プロジェクトの
必要性です。サッカーの成功も、15年間にわたり、スポーツ・芸能・学術・
地域・産業・政治・行政・学校など、ありとあらゆる関係者が、中央でも、
地方でも、頑張ってきたことによって今日があります。その際に、
企業は裏から支え、地域やNPO・公益団体(サッカー協会は財団法人)が
リードしたことによって、いろんな関係者を巻き込むことに成功しました。
今、日本にこうした、あらゆる関係者を巻き込んだ長期プロジェクトを、
目先の経済的利益にとらわれず立ち上げていくことが必要です。
だから、NPO・NGOが大事なのです。

サッカーの成功を参考に、「若い力を開花させる日本」づくりのために、
新たな日本再生の教育システムや国民プロジェクトの話までしたかったのですが、
番組の流れがそうはなりませんでした。シンポジウムだったら、
流れを変えられるのですが、生TV番組のテンポの中では正直難しかったです。
十分に力を発揮しきれなかったプレイヤーたちの気持ちがよくわかりました。
私スズカンの次なる課題は、自分が展開したいと思う流れを、
ゲストでありながら、TVの場で、いかに創り出すか?です。
しかもさりげなく、くどくなく。がんばります。応援お願いします。