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 医療問題に着手開始!



 人間に関する政策の充実をライフワークとする私にとりまして、医療は教育と並ぶ二大テーマの一つです。医療問題は、当選直後から関心をもってはおりましたが、特に、この二年間は、ジャーナリスト、病院長、医師、医学研究者、医療系大学経営者、経営学者、保険会社創業者、官僚などが各界の著名人が集う医療問題・医療制度に関する学習会で、みっちりと勉強をさせていただいております。

私自身は、患者本位の誰もが納得できる医療の実現に向け頑張っていきたいと思っておりますが、医師免許をもたない私が、医師会を向こうに回して、国会で責任をもった発言をし、その主張を実現していくためには、相当な勉強と覚悟が必要だと痛感しております。

 この三月二十九日に行政監視委員会で、医療過誤について質問に立ちました。医療過誤については、そもそも医療事故がどれくらいおこっているのか?といった実態把握すら厚生労働省ができていない状況などを厳しく追及いたしました。医療過誤の防止策は、様々ありますが、薬の取り違えを防ぐために、まぎらわしい薬の名前を変えるというのは、直ちにできることの一つです。しかし、薬名の変更が、商標の問題でなかなか進まないとの事例がありました。この点については、私は、国会で坂口厚生労働大臣に「商標と人の生命とどちらが大事なのか。」と強く迫り、大臣から善処するとの回答をいただきました。(その院内中継をみていた同僚から、相当な気合だったなあといわれました。)この件については、すみやかに改善され、誤認されやすい薬名の改名が行われました。

 五月十三日には、薬剤師養成期間を六年に引きあげる学校教育法の審議のなかで、医療過誤を減少させるために薬の専門家である薬剤師に投薬に関する意見具申権を付与し、医療チーム全体でより安全で良質な医療サービスを可能にできるよう提案をいたしました。

 

統合医療の充実に向けて

 

また、私は、これまでも中国の多く中医師との交流を深めてきていますが、日本の医学は、あまりにも西洋医学一辺倒になっています。日本の医療政策ももう少し統合医療に注意を払うべきであると考え、日本統合医療学会会長の東大医学部名誉教授の渥美先生のご指導なども受けながら、取組みを開始しました。まず、民主党内で、鳩山由紀夫先生を会長に、私も、発起人になり、代替医療推進議員連盟を立ち上げました。

五月の国会では、まず、わが国の医師国家試験を統合医療的観点から見直すべきだとの提案をいたしました。文部科学省の定める医学教育のコア・カリキュラムには、統合医療的配慮が若干なされているのですが、国家試験のほうは、全く、そうした要素がありません。そこで、こうした提案をさせていただきましたところ、文部科学副大臣から、厚生労働省の担当局長の出席する委員会の席で、前向きに検討する旨の回答を引き出しました。

十月八日には、日本統合医療学会主催の「代替医療の科学的評価」に関するシンポジウムに出席し、このことを先生方にご報告申しあげるとともに、一九九九年に相補・代替医療センターを立ち上げた米国NIH(国立健康院)のドクター・チャー博士とも、お会いし、米国が、この十年間、国を挙げて精力的にこの分野に力をいれてきたことを伺い、日本の取組みが全く遅れていることに大変な危機感を感じました。

 

子どもの生命・身体の安全確保に向けて

 

国会でこうした活動を地道に行っていたということと、私は医療情報学会にも所属し、カルテ電子化などの医療情報化、医学教育における情報技術の活用などについて精力的に活動をしてきたということもあって、九月十五日は、大阪で第五回次世代医療システム産業化フォーラム二〇〇四に招待され「医療機器開発の今後の方向性」という題で講演をさせていただき、九月十九日には、三重で開催された第十回日本小児麻酔学会にご招待を受け「育む」というテーマで特別講演をさせていただきました。

私の目下最大の関心は、子供の生命・身体の安全の確保ですが、特に、日本小児麻酔学会には、全国各地の小児救急救命センターの責任者ばかりで、まさに、子供の生命・身体の危機の現場に毎日に立っておられる先生方が結集されていらっしゃいました。

子供が危険にさらされる類型として、外部の不審者からの暴行・傷害、校内・家庭内での暴行・傷害、不慮の事故、病気というパターンに大別できますが、実に、毎年、千名弱の子供が不慮の事故で亡くなっています。数的には、第一、第二の類型をはるかに上回ります。

講演では、先進国十五カ国で比較すると、日本は、五歳から五十五歳までの不慮の事故死亡率については低く抑えられているにもかかわらず、五歳以下および五十五歳以上については、調査国中、最悪のレベルにあること。一方、イギリス、スウェーデンなどは小児事故防止にかなり成功を収めている。さらに分析すると、わが国においては、学校や会社などの安全衛生行政が及ぶところは優良だが、それ以外のところ、つまり家庭などで多くの事故が発生している。保護者の子供への無関心が事故を多発させているとの結論が浮かびあがってくること。しかしながら、政府は家庭内での事故防止に有効な政策を持ちえず、しかも、約一割の保護者は、育児放棄に近い状態にあること。こうした保護者の意識啓発できるのは現場の医師しかいないこと。さらには、わが国の社会・国家自体も無関心で、そもそも社会保障費の三%しか子供向けに割いていないこと。政府も、交通事故や児童虐待に比べて、政策課題として問題視するという熱意に欠けているといわざるを得ないこと。などの指摘を行い。最後に、以前から温めていました『小児事故防止法』の制定を提言いたしましたところ、大いに好評を博し、その後の懇親会でも、多くの小児医療関係者と語り明かしました。

こうした子供の生命に直結する課題が、現在、マスコミでも、国会でも、ほとんど議論されていません。こうした重要で難しいテーマについて、メディアが注目しようがしまいが、地道に取り上げ、関係各方面に粘り強く働きかけを続けていくのが、私鈴木寛の使命であると自覚しております。

十月十二日には、国立成育医療センターを、十月二十二日には、国立循環器医療センターを訪問させていただくなど、ここにきて医療関係者との交流がとみにましています。心ある現場の医師の先生方とのパイプが深まりつつあります。ぜひ、皆様もこうした分野での活動もご支援・ご声援いただけると幸いです。がんばります。





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