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 共生社会に関する調査会

 
 今日、我が国を取り巻く社会環境は大きく変化しており、男性と女性、子供と大人、外国人と日本人など社会を構成している様々な人々が、互いにその存在を認めあい、共生していく社会が求められております。「共生社会に関する調査会」は以上の観点から、我が国の社会における人と人との新しい関係を模索すべく平成10年に新たに設けられた調査会です(いずれは、自然と人間の共生問題も取り扱っていくべきだと個人的には思っています。)。

 私、鈴木寛もこの調査会に所属しております。男女共同参画や子育て支援問題等というと女性議員の独壇場と思われてしまいがちですが、これをさらに社会全体の問題意識として認識していただくためにも、独身男性である私が当調査会のメンバーであるということそれなりに意義のある事であると思っております。去る4月10日に児童虐待問題をテーマに質問をさせていただく機会がございましたので、その模様を以下にご報告させて頂きます。
 

◆児童虐待法について

 まず、児童虐待防止法について取り上げました。同法案が平成12年の第147通常国会において全会一致で可決成立したことにより、児童虐待への対応プロセスが社会的にも、法的に明らかになりました。虐待が深刻な社会問題であるということが広く認知され、また具体的な「通報義務」が規定されたことからも、同法律の制定は大きな前進であったと、一定の評価は出来ます。しかし、誠に皮肉な事態ではありますが、これにより今まで役所が知り得なかった事例が、表面化したことにより、統計上の虐待相談件数はいっきに増加する事態となっています。このことからも明らかなように、法律制定は第一歩にすぎず、更に総合的かつ効果的な施策の構築が切実な課題であると言えます。

 そこで、関係各省庁の児童虐待に対する現状認識と、これまでに講じられた施策の評価を問いましたところ、概ね共通の問題意識が明らかになりました。抜本的な事態の解決のためには、事後対応のみに焦点を当てるのではなく、虐待予防とアフターケアの分野において重点的な対策が必要であり、また、各機関が単独で機能するのではなく、お互いに連携して問題解決にあたれるようなネットワーク作りが急務であるという認識を共有する事もできました。
 

◆子供の権利条約

 私はやはりこの問題を根絶するためには、国民各位の意識の向上も大変重要であると思っております。そこで、虐待を「子供に対する権利の侵害」ととらえ総合的な意識改革を行うことの必要性に鑑み、第二の質問事項として「子供の権利条約」についてふれました。国連が中心となって成立致しました同条約を、我が国は1994年に世界で158番目に批准致しました。一方で、政府は条約の批准に当たり、これに伴う、国内法の制定は必要なしと言う立場をとっています。自治体レベルでは、条約の趣旨に賛同して、子供の権利条例を制定する市町村も少数ではありますが存在します。また、このような条例制定の動きをサポートするために草の根的な努力をするNPOも多数存在します。
 こうしたことからも、私は政府がもっと積極的な役割を果たすべきであると委員会質疑を通じて主張したところです。


 問題解決は社会全体の協力による、教育で!
 
 残念ながら、私はまだ自分の子供を持っていないので、実際に育児の大変さはわかりません(最近、本当に早く子供が欲しいと思っています。)。ですので、あまり大層なことも言えませんが、しかしやはり、こうした問題もその根源は心の問題であり、ひいては教育の問題にあると考えています。複雑かつ先の見えない社会情勢の中、私たちは本当に多くのストレスに犯されてしまっています。心にゆとりを持てずに日々生活をしていく上で、自分自身をうまくコントロールしていく事は、大変重要でありますが同時に本当に難しいものでもあります。残念ながらそうした自分自身の内側に何らかの歪みを抱えてしまった人の一部が、児童虐待のような悲劇的な道を選択せざるを得ない状況に追い込まれるのだと思います。

 だからこそ、社会のあらゆる構成員が互いをいたわりながら、ともに素晴らしい日々を送るために心のケアが必要なのだと思います。競争を過度に促すことなく、それぞれがそれぞれのライフスタイルや個性を尊重し合えるような寛容ある社会の構築を、私たち国会議員が先頭にたち、積極的に進めていきたいと思っています。この問題もやはり教育が重要ですね。


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