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8-3 談合の廃止で年間10.6兆円の税金節約

Ⅰ いまだ高い談合比率

公共事業や、公共調達 ( 役所の設備投資、消耗品など ) の請負業者を決める入札において、あらかじめ話し合って落札業者を決めておくことを談合といいます。これは、明らかな官民の癒着であり、公共事業費・公共調達費を押し上げています。

公共事業・公共調達の請負業者を決める方法は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約の 3 種類あります。一般競争入札はどの業者も参加できますが、指名競争入札はあらかじめ入札できる業者をきめておきます。そのため、指名競争入札は一般競争入札に比べ談合が起きやすく、実際に長野県では、 2003 年に一般競争入札を導入したところ、落札率は 94.8 パーセントから 74.8 %に下落しています。随意契約は請負業者を依頼者が指定するもので、指名競争入札より更に官民の癒着が起こりやすくなります。

※落札率

公共事業・調達の依頼者 ( 自治体・官庁など ) が予定する落札金額 ( 予定金額 ) と、実際の落札金額がどれだけ近いかを示す数値です。予定金額が 2000 万円のものが 1800 万円で落札されれば、落札率は 90 %になります。

最低入札額が予定金額より高い場合は、入札は無効となりますが、談合によって指定された業者は、この予定金額より少しだけ低い価格で入札し、利益を最大限にします。ゆえに、談合があれば落札率は高くなります。

一般競争入札、指名競争入札、随意契約の割合 ( 金額ベース )

 

一般競争入札

指名競争入札

随意契約

国の公共事業

34.2 %

61.2 %

4.5 %

国の公共調達

47 %

53 %

地方の公共事業

15.4 %

80 %

4.5 %

地方の公共調達

データなし

出典 :
公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議「随意契約の適正化について」 2007.1
総務省「地方公共団体における公共工事の発注事務に関する調査結果の概要」平成 7 年 6 月 ( 多少古いデータです )
「公共工事「入札」改革 47 都道府県の本気度」『ダイヤモンド』 2007.4.7

 

公共事業・公共調達の金額 ( 平成 17 年 ) 出典:国会図書館資料

 

公共事業

公共調達

合計

4.5 兆円

9.3 兆円

13.8 兆円

地方

13.8 兆円

24 兆円

37.8 兆円

合計

18.3 兆円

33.3 兆円

51.6 兆円

 

Ⅱ 談合の廃止で約10.6兆円節約できる

では、談合が廃止された場合、どれほどの税金が節約できるのでしょうか。全国市民オンブズマン連絡会議の調査によると、 2005 年度の都道府県の公共事業における落札率の平均は 91.1 %です。仮にこの落札率が、長野県と同じ 74.8 パーセントに下落すると、公共事業で約 3.3 兆円、公共調達で約 7.3 兆円の税金が節約できます。

以上の節約金額の合計は約 10.6 兆円になり、莫大な財源になります。

 

○計算式

上掲の表の数値を用います。国、地方とも、入札によって請負業者が決められている割合は 95.4 パーセントです。この落札率が 91.1 パーセントから 74.8 %に下落すると、入札によるもののうち、節約可能な金額は以下の計算で求められます

18.3 兆 ( 公共事業全体 ) × 0.954 × (91.1 - 74.8)/91.1 =3.12 兆円―①

また、公共事業のうち 4.5 パーセントは公共調達です。公共調達は業者を官公庁 ( 依頼者 ) が指定するため、入札は行われず、落札率は 100 パーセントであると言えます。 よって、以下

18.3 兆 ( 公共事業全体 ) × 0.045 × (100-74.8)/100 =0.21 兆円―②

よって、公共事業全体の節約可能額は①+②で約 3.3 兆円になります。

 

一方、公共調達でも同じ計算を行います。地方における競争入札と随意契約の割合は、国のものを準用します。

33.3 兆 ( 公共調達全体 ) × 0.47 × (91.1-74.8)/91.1  = 2.8 兆円―③

33.3 兆× 0.53 × (100-74.8)/100  = 4.45 兆円―④

公共調達の合計節約可能金額は③+④で約 7.3 兆円になります。

 

 

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