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5-1 母子が集まる育児コミュニティ構築


Ⅰ 現在の日本が抱える育児に関する問題

今の母親は、育児に関して多くの不安を抱えています。そのなかでも特に強い不安は、「自分の時間が持てない」ことや「子育てによる身体の疲れ」、「気持ちに余裕を持って子どもに接することができない」といったものです。

 では、どうしてこのような育児不安が強まっているのでしょうか。理由は2つあります。一つは、女性の役割の変化です。「女性は結婚したら家庭に入って育児や家事に専念するもの」という観念が崩壊した現在、結婚・出産後も社会で活躍することを望む女性がほとんどです。そういった女性の気持ちの変化に、育児を支えるインフラの整備が追い付いていないのです。

 二つ目は、これが最も重要なのですが、社会構造が変化し、家族・地域全体で担っていた子育ての負担・責任が母親一人に強くかかってしまうようになったことです。以前は、母親は祖父母・地域の子育て経験者などに子育ての悩みなどを打ち明け、子守などさまざまな仕事を代わりに行ってもらうことで精神的・時間的な余裕をつくることができました。しかし、核家族化が進み、地域住民との交流も少なくなった現在、母親はたった一人で子育てのすべてを行うことを余儀なくされています。子育てに関する不安を相談し、共有する相手も多くありません。父親は仕事で帰りが遅いため、特に、都市部でこの傾向が顕著です。

 このように、母親が子育てに不安をもった状態では、母親自身の尊厳が失われるとともに、子供の健全な心身的成長も危ぶまれます。というのも、子どもの心の発達の基盤は「安心」「確実」といったものを子供が感じられる親子関係にあるからです。また、育児不安が母親の攻撃性・衝動性をうみ、子供の虐待につながるともいわれています。

 こうした不安を抱える一方で、多くの子育て層が「育児は楽しい」「子供を持つことで親も成長する」と思っています。特に後者に関しては、周囲からの援助が得られる親ほど強く感じています。地域が支えることで、子育てはさらにすばらしいものになるのです。

 母親が安心して育児に取り組めるような社会基盤をつくることは、国や社会の未来をつくるのに等しい重要なことです。母親の育児不安を取り除き時間的な余裕を生む、以前のような「家族・地域が支える育児」を、現代の社会にあった形で復活させる必要があります。

 

 

 

 

子育てのイメージ

出典:こども未来  2005.7  こども未来財団が調査「子育てに関する意識」

 

子育て層

子どものいない未婚層

子どものいない既婚層

中高生層

中高年層

子育ては楽しい

82.6%

59.6%

66.7%

66.4%

84.2%

子どもを持つと生活が豊かになる

52.4%

37.5%

31.2%

36.2%

57.3%

子どもを持つことで親も成長する

93.3%

90.9%

89.3%

94.4%

子どもを持たない人生はさびしいと思う

60.6%

35.8%

32.8%

50.5%

57.1%

子どもを持つことは社会的な責務である

33.3%

20.9%

20.9%

23.1%

45.2%

 

周囲からの手助け状況別、子育てのイメージ調査
出典:こども未来  2005.7  こども未来財団が調査「子育てに関する意識」

イメージ A. 子どもを持つことで親も成長する

イメージ B. 子どもを持つことで親は可能性が制限される

<子育て層の女性へのアンケート>


 

Ⅱ 地域全体で支える子育て復活!育児コミュニティ

そこですずきかんが提案するのは、地域単位の「育児コミュニティ」です。

 小学校の学区をめやすに、小学校の空き教室や公民館などを利用して「育児コミュニティ」をつくります。そこには母親が子どもをつれていつでも集まれるようにします。母親同士で子育ての悩みを共有できるのです。さらに、料理や子守を共同で行うことで、母親一人当たりの負担は軽減されます。 24 時間常に一対一で子どもにつく必要がなくなり、精神的・時間的な余裕が生まれ、出産前のような生活も楽しむことができます。退職した団塊の世代の方々にも「育児コミュニティ」に来て頂き、子育て経験者としての能力を十分に発揮していただきます。

 さらに、定期的に保健士や看護師・医師を呼び、検診や悩み相談などを行います。子どもの病気や虐待の早期発見につながります。

 このように、母子がいつでも集まれる場所を用意し、そこに地域住民が参画できるような体制をつくることで、地域がささえる子育てを復活します。

 

 

 

 

 

すずきかんは、地域力による子育てを復活させ、母親の負担を減らします。

・いつでも好きな時に集まれるような育児コミュニティを小学校の学区単位で整備します。

 

 ハコ自体は、小学校の空き教室や市町村役場の一室を改装すれば足ります。乳児、幼児のベッドなどの費用も含め、改装費用等として初年度に100万円を予算とします。

 運営のための資金は年間 66 万円とします。

 その内訳は以下のとおりです。

 ・保健師の保健指導、医師 ( 看護師含む ) の健診の謝礼… 42 万円

   それぞれ2月に一回ずつ行います。

   保健師に対する報酬は一律で一回3万円、医師については4万円とします。

   (健康診断、保健指導については保険給付の対象外であるため、その金額は依頼者との個別の契約により決することになります。)

 ・イベント費…12万円

 ・光熱費…12万円

文部科学省の「平成 18 年度学校基本調査」によると、公立小学校は 22,262 校あります。よって、立ち上げに 222 億 6200 万円、運営に年間で 146 億 9292 万円が必要となります。

 

 

 

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