4-1 演劇・コミュニケーション(ドラマ授業)の必修化
I なぜ、いま教育に演劇が必要なのか?
なぜ、いま教育に演劇が必要なのでしょうか。それは、演劇作品を作るプロセスの中に、いまの日本の教育に欠けている全てがあるからです。そこには書く人がいて、演出する人がいて、舞台を作る人がいて、照明や音響効果をプランしオペレーションする人がいて、そして演じる人が立ち、観客に見せます。 1 つの公演を作る中では当然さまざまな思惑の違いや対立が生まれ、対話を重ね、実践を通じてこれを乗り越えねばなりません。人に物事を伝えるとはどういうことなのか。人の心を動かすとはどういうことなのか。公演の本番だけでなく、そこにいたる全プロセスで試行錯誤を通じて実践的なコミュニケーションを体験することができます。
近年「コミュニケーション能力」の重要性が語られていますが、これは教室での座学やお仕着せの発表会で身に付くものではありません。自分の気持ちをうまく表現することができず、暴力に頼る子供をただ排除するのではなく、対話し状況を克服するコミュニケーション能力を身につけさせることこそ、本来教育のあるべき姿です。
実際に、「ドラマ」科目として演劇を必修化している国もあり、学校での指導専門の劇団まで存在します。ハーバード大学の MBA では、演劇が必須科目とされているなど、教育の現場では演劇が注目されています。
情報社会は、人と人とのコミュニケーションに依って立つ社会です。その中で自己を発信していく能力を鍛える方法として、演劇は非常に有効です。
すずきかんの友人である平田オリザ氏は、演劇の授業推進の第一人者であり、国内外で演劇教育に関するワークショップを実施し、具体的な成果をあげています。
すずきかんは、演劇の授業を推進します。
・小学校で、総合学習の時間を利用し、演劇の授業を普及させます。
月一回、学年単位で授業を行うことを考えます。
この場合、演劇教育支援 NPO から講師をひとり派遣し、年度の最後に発表会を行った場合、約 300 万円の予算がかかります。
これを全小学校で行うとなると多額の予算がかかりますので、以下のようにします。
(1) 1 年目は、各市町村単位で 1 校の拠点校を定め、演劇教育支援 NPO から講師を派遣し、モデル授業を行います。その授業を地域の演劇関係者が見学します。
(2) 2 年目以降は地域の演劇関係者で、モデル授業とマニュアルをもとに演劇の授業を行えるようにします。
1についての予算ですが、現在の市町村数 (1,804) をもとに計算すると、 1 年間で約 5,412,000,000 円 (54 億円 ) の費用がかかります。
2年目以降は、統一マニュアル作成費用 (5,000 万円 ) と、各地域の演劇関係者への報酬 ( 授業1回につき1万円とする、交通費含む ) の費用を考えます。こちらは全小学校数 ( 約 24000 校 ) をもとに計算すると、 17,330,000,000 円 (173 億円 ) かかります。