すずかんの医療改革の「今」を知る(2007年6月号)
第20回「医師は機械ではありません。」
日本外科学会が行った調査によると外科医の労働時間は平均週70時間で、7割が当直明けで手術を行っているそうです。また、全国周産期医療連絡協議会の調査では、総合周産期医療センターの8割以上の施設で、医師の36時間連続勤務が月に6回以上行われているそうです。
要するに、医師は365日24時間働く機械のように扱われているということです。医師の過酷な勤務の原因は、医師不足にありますが、厚生労働省は、医師不足ではなく、地域や診療科によって偏在しているだけだと主張しています。
厚生労働省の調査によると、病院勤務医の平均労働時間は週63時間ですが、うち15時間は研究時間や待機時間で、実際の従業時間は平均48時間だと説明しています。しかし、待機時間も含めてカウントするのがルールです。また、医師の当直とは、電話番や見回りなどの軽微な作業で、ほぼ眠っていられると厚労省は説明していますが、現実には、医師は救急対応や、患者の急変への対応に追われています。
このような過重労働の違法状態を、さまざまな詭弁を弄し、法解釈を捻じ曲げ、隠蔽し、それを前提に医師は足りていると強弁する政府の説明を認めるわけにはいきません。医師だって人間です。過重労働は、医師に慢性的な疲労を与え、医療事故の要因ともなります。勤務の過酷さと事故による訴訟リスクから、医師が病院を離れ、ますます医師が不足するという悪循環も生んでいます。
皆さんも考えてみてください。当直明けで心身ともに疲弊した医師の手術を受けたいですか。36時間働き続けた医師にお産を取り上げてほしいですか。応えは明らかです。
昨年の臨時国会で私は代表質問に立ち、安倍総理に対して、医師不足や医療現場の超過勤務の実態を調査するように迫りました。また、医師の治療行為に対する診療報酬の改善、医学部定員増など、働きかけを行ってきましたが、政府は重い腰を上げません。
この問題は、決して医師だけの問題ではありません。患者、妊婦がこのままの状態で、医師から手術、分娩を受けることを引き続き甘受するのか?それとも、医療現場を救う政策変更を政治に迫るのか?決めるのは皆さまです。
