すずかんの医療改革の「今」を知る(2007年3月号)
第17回「今年を志立病院元年としましょう。」
12月号のこの欄に書いた難病患者への助成抑制問題を覚えているでしょうか。厚生労働省は昨年末、当初方針を撤回し、パーキンソン病と潰瘍性大腸炎の軽症患者への給付を継続することになりました。
これは患者さんたちが自ら声をあげ、私も含め各所へ働きかけた成果です。一人一人の力は小さくとも、実際に行動することによって成果はでます。できるといえば、東京大学医科学研究所で実施中の医療ガバナンス研究チームに縁のある若手医師達と、私のゼミの東大の文系理系に加え芸大等他大学の学生達がコラボレーション(協働)して、昨年11月に新宿で診療所(コラボクリニック新宿)を開きました。
診察はプロの医師が行いますが、面倒な開設手続き、デザイン、情報化などを学生が担当しました。
発端は「夜中にコンビニは開いているのに、なぜ病院は開いていないの?」といった素朴な疑問で、立ち上げに動き始めたのは、昨年6月のことです。
診療所の開業費用は3000万円とも4000万円とも言われ、勤務医が開業に二の足を踏む大きな原因にもなっています。
それを、ITの得意な学生が情報化コストを大幅にカットし、機器も一から吟味して、大幅に開設費用を節約しました。
このことは、将来の医療システムを変えてしまう大きな可能性を秘めていると思います。
今の医療提供体制では、多くの患者の思いが取りこぼされています。現場にいる多くの医師や看護師は、その状況に心を痛め何かしたいと思いながらも、現行制度の壁を前に無力感にさいなまれたまま、あきらめていくと聞きます。
しかし私は、医療者にも患者にも申し上げたいのです。
自分たちの思いを可能にする医療機関がなければ、自分たちで造る「志立病院」づくりに挑戦してみませんか?
たしかに容易ではありませんが、先入観なく、あきらめずに取り組めば不可能でもありません。
みなさん、志を持ち、声を上げ、行動しましょう。(コラボクリニック新宿の連絡先は、03-3349-0831)
